温度で変わる？お茶の味

お茶の味は温度で変わる？

茶葉の中には、以下のような成分が含まれています。

これらの成分は、入れるお湯の温度によって溶け出してくる量が異なります。

お湯の温度が低いとき、うま味、甘味成分であるテアニンなどのアミノ酸類は溶出してきますが、渋味や苦味成分のカテキンやカフェインはあまり溶け出してきません。

逆に高い温度で淹れると、カフェインやカテキンは多く溶け出してきます。

つまり高い温度で淹れると渋味がしっかりしたお茶、低めの温度で淹れると渋味が抑えられたお茶になります。

美味しい煎茶の淹れ方

お湯の温度だけでなく、茶葉の量や浸出する時間の長さによってお茶の味は変化します。

ここでは煎茶について、うま味と渋味のバランスの取れたお茶の淹れ方について紹介します。
おもてなしなどの際には、ぜひ時間を掛けてじっくり淹れてみてください。

１．水をやかんやポットで沸かします。水道水は、できれば5分以上沸騰させるとカルキが抜けます。

２．お湯を人数分の茶碗の8分目まで注ぎます。
（容器に移すことで10℃くらい下がるので、この時点で温度は90℃くらい）

３．急須に茶葉をすべて入れ、平らにならします。

４．お湯が70～80℃くらいになったら、急須の中の茶葉に回しかけるように入れます。

５．1分ほど待ってから、人数分の茶碗にまわし注ぎ（※）し、最後の一滴まで注ぎ切ります。
※まわし注ぎ：人数分の茶碗を並べ、少しずつ順番に注いでいくこと。
※最後に急須を振ると雑味が出ることがあるので、できるだけ静かに注ぎ切ります。

＜２煎目以降について＞

上記のように1回注ぎ切るまでのことを1煎目せんめといい、2回目、3回目にお湯を入れて注ぎ切ることをそれぞれ２煎目、３煎目といいます。

２煎目は80℃くらいのお湯で30秒程度浸出し、3煎目では90℃程度のお湯を入れたらすぐに茶碗に注いでいくことがおすすめです。

1煎目では多くのアミノ酸（テアニンなど）が溶け出ていくので、２煎目、３煎目では1煎目とはまた違った味わいが楽しめると思います。

お茶の種類によって適した淹れ方がある

ここまででお話ししたのは、「煎茶」のおすすめの淹れ方です。

お茶の種類によっては成分量も変わってくるため、適した淹れ方は異なります。

以下に簡単にご紹介します。

番茶やほうじ茶の淹れ方

番茶やほうじ茶は香ばしい風味を楽しむために、熱いお湯でサッと淹れることがおすすめです。

・湯のみは煎茶よりも大きい200mlくらいのものを用います。

・茶葉（3g×人数分）を土瓶に入れ、沸かした熱湯をそのまま土瓶に注ぎます。

・蓋をして30秒くらい待ったら、湯のみにまわし注ぎをします。

玉露の淹れ方

玉露はうま味成分であるアミノ酸を豊富に含み、カフェイン量が多いお茶です。

苦味を抑え、うま味をたっぷり溶出させる低めの温度で淹れることがおすすめです。

・茶碗はあれば40mlくらいの小さなものを用意してください。

・お湯を茶碗の8分目（30ml程度）まで入れ、温度を50℃程度まで下げます。

・茶葉（4～5g×人数分）を急須に入れ、お湯を静かに注ぎます。

・約2分待ったら茶碗に少しづつまわし注ぎし、最後の一滴まで注ぎ切ります。

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