【白内障手術】3焦点自然視覚乱視レンズ「PanOptix TORIC」を入れました【32歳・感想】

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32歳で白内障を発症し、この度手術をして3焦点自然視覚乱視レンズ「PanOptix TORIC」という多焦点眼内レンズを入れました
この記事では、白内障の発覚~手術~術後の経過まで調べたことや感じたことを書きました。
医療従事者でも何でもないため、参考程度に見ていただければと思います。

私はもともと左目の視力がほぼ無く、今はハードコンタクトレンズを付けると0.3くらいの視力というほとんど利用できない目となっています。右目の視力はずっと良好で、子どもの頃はずっと1.5、近年でも1.0以上はありました。
そんな中、32歳で右目のかすみ、視力の低下を感じ眼科を受診すると白内障であることが分かりました。
気づいてからの進行は早く、気づけばスマートフォンの文字は読みづらく、車の運転も白くまぶしいためほぼできない、という状況になってしまいました。
そこで、できるだけ早く手術をしよう!と行動し始めました。

白内障診断から手術まで

私はもともと左目の定期検診のため眼科に通院していました。
最初は、右目が霞む日もあるけれど次の日には治る、ということが繰り返しあり、単なる疲れだと思っていました。
しかし、ある時から3日連続で目のかすみ、視力低下を感じたため、定期検診を待たずに受診をしました。
診察を受けるまでまさか白内障だとは思っておらず、先生に告げられた時はショックを受けました。

先生には、急いで手術する必要はないけど…というように言われましたが、その時すでに生活に支障が出ていたため、手術を決意していました。

ただ、一度夫と相談することにし、帰宅。

よく考えたらその時通院していた眼科は車で30分。
白内障の手術なら自宅から近くの病院の方が良いのではないか?と考え、翌日に眼科に電話。
事情を説明し自宅近隣の眼科へ紹介状を書いてもらうことにしました。
(お願いしてから2日で書いてもらえました!ありがたい…)

そして翌週、紹介先の眼科を受診。
白内障の手術を予定している旨の意思を確認され、様々な検査(検尿、血液検査、目の検査等)と診察がありました。
その日は水曜日でしたが、その眼科では火曜日と木曜日が手術日らしく、最短で次週の木曜日と言われました。
結局こちらの都合により、2週間後の火曜日が手術日となり、手術日の3日前から差す目薬を処方されました。

単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズ

各レンズのメリット、デメリット

白内障手術では眼内の水晶体を取り出し、代わりのレンズを挿入します。
レンズには単焦点眼内レンズ(以下単焦点レンズ)と多焦点眼内レンズ(以下多焦点レンズ)があると説明を受けました。

詳しいことはこちらに書いてあります。↓
https://www.cataract-iol.jp/lens/type/

簡単に言うと、単焦点はピントの合う距離が一つのレンズ、多焦点はピントの合う距離が複数のレンズです。
単焦点レンズではピントを合わせた距離のものが非常にクリアに見える、また保険診療でできるというメリットがありますが、他の距離のものを見るときには眼鏡が必要な可能性が高いのがデメリットです。
多焦点レンズは、2焦点レンズであれば2つの、3焦点であれば3つの距離にピントが合うため基本的に眼鏡が必要なく生活ができるというのがメリットです。(自由診療では5焦点レンズというのもあるらしいです。)
デメリットとしては、まぶしい光が若干ぎらついて見える(ハロー・グレア現象)、コントラスト感度がやや低下する、レンズ代が自費となるため費用が高いといったことが分かりました。
また、他の目の疾患(緑内障や網膜の病気)がある人は多焦点が入れられない?ようです。(詳しくは分かりません…)

つまり、私のイメージでは、
眼鏡のない生活をしたい人→多焦点
眼鏡にもともと慣れていて違和感を感じない人、非常にクリアな視界が求められるor色彩感覚が求められるor夜間の運転を求められる職業の人、多焦点レンズを入れられないと医師から言われた人、費用を抑えたい人→単焦点
という認識をしました。

3焦点自然視覚乱視レンズ「PanOptix TORIC」に決定

眼科では、まだ若いんだから(高いお金を出してでも)多焦点レンズもいいんじゃない?というようなニュアンスで薦められました。
また、私は乱視もあったらしく、3焦点レンズには乱視を矯正できるレンズがある、ということでした。

確かに、私はこれまで眼鏡を掛けてこなかったため、できれば眼鏡なしの生活がしたいですし、上記で書いたようなクリアな視界が求められるor色彩感覚が求められるor夜間の運転を求められる職業でもありません。
お金持ちではないですが(笑)、これからの長い人生のためにはそこまで高くないと考え、3焦点自然視覚乱視レンズ「PanOptix TORIC」に決めました。
私が片目しか手術しないと決まっていたこともあります。(両目なら2倍の金額になるので…)

なお、このレンズの焦点距離は40㎝、60㎝、5mの3つということで、スマホや本を見る近距離、パソコンの画面や車のメーターを見る中距離、そして遠方全体を見られるということで、私にとっての通常の生活を送ることができると考えました。

気になるお値段は…

国内で承認された多焦点レンズを使った手術は「選定療養」の対象となり、レンズ代は自費ですが、診療・手術代は保険適用(3割負担)となります。

私が入れた3焦点自然視覚乱視レンズ「PanOptix TORIC」の金額は26万円(2023年9月現在)でした…!
そこに手術代(3割負担)約4万円で、合わせて約30万円となりました。

両目だったらちょっと迷ったかも…

ちなみに単焦点レンズだと、レンズ代、手術代を合わせて約45,000円とのことでした。
白内障手術は高齢者の方が受けることが多く、その場合1割負担や2割負担で1万円台で受けることができます。(すべて片目の金額です)

手術の流れ&感想

手術当日は、病院に到着してから2時間ほど待った後に手術が行われるとの説明がありました。
到着してからは、とにかく目薬を差されました。
瞳孔を開く目薬と抗菌の目薬だと思います。
手術着に着替えて個室で待ちました。

ついに呼ばれて麻酔の目薬を差され、手術室に入りました。
椅子の形の手術台に座り、右目だけ開いたシートをかぶせられ、まぶたが閉じないようにテープを張られ、目薬を差され、水で洗い?とバタバタと進んで正直はっきりと覚えていません(笑)

上のライトを見ていてね~まっすぐ見てね~両目を開けて!力を抜いてね~とひたすら言われました。まぶしい…。
途中で濁ったレンズがなくなった感覚がありました(ライトを明るく感じた)。
眼内レンズを入れたのかなーという感覚もありました。
終わったらまたたくさん目薬を差され、眼帯(ガーゼ+プラスチックのもの)が付けられました。
手術は10~15分、ほとんど痛くはなかったですが、結構まぶしかったですし、逆の目を開けてリラックスするというのは難しかったです。。

何事もなく終わってよかった!!

手術後のこと

※私の受診した眼科での内容になります。
・手術当日はお風呂に入れません。(翌日から首から下のみ可能)
・頭が洗えるのは一週間後と言われました。(美容室で洗ってもらうのは可)
・手術後は翌日と3日後に診察がありました。
・手術時に付けられた眼帯は翌日の診察に行った際に取ってもらいました。
・翌日からは、夜寝るときだけプラスチックの眼帯をしてくださいと言われました。

目薬は3種類(モキシフロキサシン、リンデロン、ブロナック)処方され、それぞれ4回、4回、2回/日ということで、忘れないように・間違えないようにする必要がありました。
(私は他にも左目の目薬があり、忘れそうだったので服用チェックのアプリを入れました)

手術後の経過

術後1日目

午前中に眼科での診察があり、病院についてから眼帯が外されました。
そこで初めて視界が広がります。

…明るい!!文字が読める!!!

感動の瞬間です!!!

見え方としては、左目の視界と比較すると全体的にやや暖色系になったと感じました。
コントラストははっきりし、スマホの文字もやや遠くの文字(眼科の上の方にあるテレビや看板など)もはっきりと見えました
ただ、やはり近すぎると少しピントがぶれるので、スマホを持つ位置がやや遠くなりました。
(身長や机の高さなどにもよりますが、私は座った状態で机にスマホを置いたくらいでピントが合いました。)

そして診察室に呼ばれ、簡単な診察をした後に目薬を処方されました。
その後は前日に手術した患者たちが集められて目薬の説明と指導がありました。
術後翌日の診察はこれで終了。手術代やこの日の受診代を支払って帰宅しました。

その後の目の調子としては、たまにユラユラ…となるような感覚や視界が霞むこと(レンズが定着していない?)がありました。(これは2日目も感じました。)
また、多焦点レンズのデメリットとして挙げられる夜間の光が滲み、車のライトの周りに円が見られる(ハロー・グレア)という現象が見られました。
また、痛みはほぼありませんが、ややゴロゴロした感覚がありました。

術後しばらくは車の運転は控えた方が良さそうだね。

術後3日目

手術の3日後には、眼科での検査と診察がありました。

検査は屈折の測定(気球を見るやつ)、眼圧測定、視力測定、炎症を調べる検査、網膜の断層を撮影する検査がありました。
視力検査は通常の5mほどの距離にある視力表を見るもののほかに、看護師さんの手元の本で細かな記号を見る検査があり、メガネのレンズを差し替えられながら行われました。
5m距離の視力表も手元の本もおおよそクリアに見えました。
(視力を聞くことを忘れてしまいましたが、視力が安定するのはおよそ1カ月後とのことで、その時にしっかり聞いてみようと思います。視力表は上から2/3くらいは見えました。)

その後、瞳孔を開く目薬をした後に診察を受けました。
診察では目薬の継続のみ指示されました。

手術前の診察もそうですが、瞳孔を開く目薬をするとその後車の運転ができなくなるため、注意が必要です。

また、術後3日目にはレンズがやや浮いたような感覚はたまに感じるものの、ゴロゴロした痛みはほとんど治まりました

白内障手術をした感想まとめ

体験談が長くなりましたが、結論としては早めの手術をして良かったです!
白く霞んでスマホの文字もほとんど見えなくなっていたことを考えると、見えるってこんなに重要なことなのかと痛感しています。

3焦点自然視覚乱視レンズ「PanOptix TORIC」を入れたことで、遠くも近くも問題なく見ることができ、メガネなしでの生活をしています。
ただし、やはり車のライトがややまぶしく見えること、色彩のイメージが以前と比べ全体的に暖色系になったことは少し気になりました。
そのため、
・夜間の運転はできるだけ控える
・人と見えている色が微妙に異なるかもしれないという意識を持つ
ことが必要かなと感じました。

また、近距離でピントが合うのが40㎝ということもあり、スマホを持つ位置が今までよりやや遠くなりました。
これまでと全く同じ生活、とはなりませんが今のところ特に問題はなく満足しています。

あくまで自身の体験談であり、他の方に当てはまらないことも多いと思いますが、白内障のレンズや手術について悩んでいる方の参考になればと思い記事にしました。

皆さまが快適な生活を送れますように!

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