ゼラチンと寒天の違い

お菓子づくりのコツ・豆知識

ゼラチンと寒天って、どっちもゼリーを作ったりするのに使うよね?

どう違うんだろう。

両方ともゲルをつくる特性があるけど、原料や特徴に違いがあるよ。

この記事では、ゼラチンと寒天の特徴と違いについてまとめました。

ゼラチンとは?

ゼラチンの原料と製造方法

ゼラチンはコラーゲンからつくられるもので、主成分はたんぱく質です。

コラーゲンとは、動物の体内に広く分布しているたんぱく質で、細胞と細胞のクッション的な役割をしています。
特に皮膚組織では、真皮中にコラーゲンが存在することで、皮膚全体のなめらかさや張りを支えています。

ゼラチンの製造では、原料として牛や豚の皮や骨、魚の皮やウロコなどが使われています。
酸またはアルカリ処理により抽出効率を上げた後、加温しゼラチンを抽出していきます。

製品としては、板状、粒状、粉末状などの種類があります。

ゼラチンの特徴

ゼラチンは冷水には溶けませんが、十分に吸水させた後に加温すると40~50℃で溶解します。

これを冷却すると、たんぱく質が水分を含みながら網目構造をつくり、ゲル化(半固形化)します。

ゲル化は熱可逆性であるため、再び加熱するとまた溶けてきます。

寒天とは?

寒天の原料と製造方法

寒天は海藻を原料としてつくられ、主成分は多糖類です。

特に寒天の材料としては紅藻類(テングサ、オゴノリ、ヒラクサなど)が使われており、これらにはアガロースという多糖類が多く含まれています。

テングサ

寒天は、これらの海藻を熱水で加熱して成分を抽出し、ろ過、冷却、凝固させた後に乾燥することでつくられます。

寒天の特徴

寒天も、ゼラチン同様に水に溶かして加熱することで溶けますが、90℃以上の加熱が必要です。

凝固したのちに離水しやすいという特徴があります。

また、酸性溶液で加熱すると成分が分解してゲル化できなくなるため、レモン果汁などを加える場合はあらかじめ寒天を十分に煮溶かしたのち、50℃くらいまで冷ましてから加える必要があります。

食物繊維が多く、ヘルシーな健康食品としても注目されています。

特徴の違いと利用法

ゼラチンと寒天の特徴についてまとめました。

ゼラチン

溶解温度:40~50℃
ゲル化条件:濃度2~4%、pH3.5以上
※たんぱく質分解酵素を持つ果物は生のままでは使えない
口当たり:柔らかく、口の中で溶ける
保水性:高い
熱安定性:夏季は室温でも崩れやすい

寒天

溶解温度:90~100℃
ゲル化条件:濃度0.5~1.5%、pH4.5以上
ゲル強度:ゼラチンの10倍程度
口当たり:粘りがなく、もろい食感
保水性:低く、離水しやすい
熱安定性:室温では安定

以上のことより、ゼラチンは柔らかい食感で、高温で溶けやすく、口どけの良い出来上がりとなります。

ゼリーの他にも、マシュマロの安定性を高くしたり、アイスクリームのなめらかさを出したりする目的に用いられます。

寒天は固めでもろく、歯切れの良い食感となり、崩れにくい出来上がりとなります。
ただし、低めの濃度にすれば比較的柔らかいゼリーをつくることも可能です。

寒天は立方体状にしてあんみつや杏仁豆腐の材料に使われたり、ゼリーやようかんをつくるのに用いられます。
崩れにくいので、野外への持ち運びなどにもおすすめです。

この記事では、ゼラチンと寒天の特徴と違いについてまとめました。

 

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