お菓子づくりにおける油脂の役割と性質(製菓理論)

お菓子づくりのコツ・豆知識

こんにちは。

製菓衛生師を目指している主婦Tsumugiです!

お菓子づくりにおいて、バターやマーガリンなどの油脂は重要な役割を担っています。

ここでは、油脂の役割と性質についてまとめました。

クリーミング性

バターやマーガリンなどを撹拌すると、空気を抱き込みなめらかなクリーム状になります。

この性質を、クリーミング性といいます。

空気を抱き込むと、全体的な容積は増します。

撹拌後に含まれる気泡量の油脂に対する割合(%)をクリーミング価といい、この値が大きい方がクリーミング性に優れていることになります。

パウンドケーキとかをつくるとき、最初に「バターと砂糖を白っぽくなるまですり混ぜる」って書いてあったりするよね!

あれは空気を十分に抱き込ませて、ケーキを焼いたときにふっくらと膨らませるためなんだよー。

それがクリーミング性なんだね!

でも、バターが溶けちゃうと油脂の性質が変わってクリーミング性がなくなっちゃうから、注意が必要だよ!

可塑性

可塑性かそせいとは、外から加えられた力によって自由に形を変えられる性質のことをいいます。

ちょっと難しいな…

つまり、押したらへこむ状態、溶けない程度に柔らかい状態ってことかな。

ショートニングはこの可塑性の温度範囲が広く、温度変化による硬さの変化は少ないです。

一方、チョコレートの主原料であるカカオバターは可塑性範囲が狭く、温度変化に敏感です。

板チョコとかも口の中に入れるとすぐ溶けちゃうもんね!

また、バターの可塑性は13~18℃と狭く、折り込みパイの生地などをつくる際は、溶けてしまわないよう、温度調節に留意することが綺麗な層をつくるポイントとなります。

なお、折り込みパイ用のマーガリン(可塑性範囲10~30℃)も製造されており、季節を問わず作業性が良いという利点があります。

ショートニング性

小麦粉の生地に油脂を練りこむと、でんぷん粒子やタンパク質を包み込み、でんぷんの膨潤やグルテンの形成を抑えます。

その結果、サクサクとしたもろい食感を与えます。

これをショートニング性といいます。

このとき、バターなどの油脂は可塑性の範囲内(溶けない程度に柔らかい状態の温度)であることが重要です。

つまり、温度が低すぎて固まっていたり、高すぎて溶けてしまっている状態では、じゅうぶんにサクサクとした食感を与えることができないのです。

サクサクと口当たりの軽いクッキーをつくるには、バターであれば13~18℃程度で作業を行うことが重要です。
(なお、ショートニングは可塑性範囲が広く、サクサクのクッキーがつくりやすいです。)

フライング性

製品の揚がり具合、風味、吸油率、外観の戻り具合、発煙点、酸化安定性などの性質をフライング性といいます。

フライング性の良い油は生地に風味(うま味)を与え、製品に貯蔵性を加えます。

安定性

油脂は古くなると独特な嫌なにおいが出てきます。
これを油脂の変敗といいます。

油脂によって変敗しやすいもの、しにくいもの(安定であるもの)がありますが、特に熱(60℃以上)や光、金属(銅など)によって変敗は進みます。

油脂の安定性を増すためには、抗酸化剤の添加が有効です。


今回は、油脂の役割と性質についてまとめました。

美味しいお菓子で幸せになろう!

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