転化糖とは?科学的に解説!(お菓子の素材豆知識)

お菓子づくりのコツ・豆知識

お菓子づくりのレシピに出てくる「転化糖」って何だろう?

上白糖やグラニュー糖とは違うのかな?

転化糖は、砂糖の主な成分である「ショ糖(スクロース)」を分解したものだよ。

分解されることによって特徴が大きく変わるんだ。

砂糖の主成分について

砂糖にはグラニュー糖や上白糖、三温糖、きび砂糖など様々な種類がありますが、その主成分はショ糖(スクロース)です。

ショ糖は化学式で表すとこのような形をしています。

ショ糖は、ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が繋がった構造をしています。

砂糖の製造方法によってショ糖の純度(含有率)は異なり、グラニュー糖では約99.9%、上白糖では約97.4%となります。

転化糖とは?

転化糖は、ショ糖がブドウ糖と果糖に分解されることでつくられる糖のことです。

分解されてできたブドウ糖、果糖は還元糖と呼ばれ、化学反応しやすい還元基という部分を持っています。

還元基を持つことで、ショ糖とは異なる特徴を示すようになります。

転化糖の特徴

①メイラード反応しやすい
②ショ糖よりも甘い
③保水性が高く、吸湿しやすい
④砂糖の結晶化を防ぐ

①メイラード反応しやすい

メイラード反応とは、糖とアミノ酸などが加熱により反応し、茶色い色や香ばしい香りを出す反応のことです。
ブドウ糖や果糖は還元糖と呼ばれており、アミノ酸と反応しやすい部分を持っているため、このメイラード反応が起こりやすいという特徴があります。

転化糖を使ってお菓子を焼くと、焼き色が付きやすいってことだね!

②ショ糖よりも甘い

転化糖はショ糖の約1.3倍の甘味を持っているため、同じ甘さでも糖分量を減らすことができます。

③保水性が高く、吸湿しやすい

転化糖に含まれる果糖は保水性が高いため、焼き菓子に加えるとしっとりするという性質があります。

④砂糖の結晶化を防ぐ

分解によってできた果糖はショ糖の結晶化を防ぐという特徴があります。
結晶化しないため、舌触りはなめらかになります。
この特徴を生かし、転化糖はアイスクリームやガナッシュの製造で用いられています。

転化糖はどこで買える?

転化糖って普通のお店では見かけないよね?

そうだね~。

製菓材料店とかネット販売でないと手に入らないかもね。

ちなみに、転化糖は「トレモリン」という名前で販売されているよ。

転化糖はトレモリンという名前で販売されています。

一般のスーパーマーケットなどではほとんど置いておらず、製菓材料店やネット販売で購入するのが確実です。

転化糖を代用できるものは?

転化糖を身近なもので代用できないかな?

水あめやハチミツ、上白糖でもある程度同じ特徴が出るよ!

水あめ

水あめは、デンプンを酸や糖化酵素で糖化(加水分解)してつくられた甘味料です。
とろとろした粘液状で、ブドウ糖、麦芽糖、デキストリンなどが含まれています。
水あめを焼き菓子などの生地に加えることで、しっとりとした食感となります。
甘味はショ糖の約0.4倍(転化糖の約0.3倍)のため、甘さの調整には注意が必要です。

ハチミツ

ハチミツは、ミツバチが花の蜜を集めて貯蔵したものです。
貯蔵中に、転化糖と同様にショ糖がブドウ糖と果糖に分解されます。
糖の成分は転化糖と同じですが、ハチミツには独特の風味があるため、使用する際には風味の変化に注意が必要です。

上白糖

上白糖の主成分はショ糖ですが、転化糖も振りかけられているため、代用が可能です。
転化糖特有のしっとり感や焼き色はやや薄れるかもしれません。

この記事では、転化糖の性質と代用品についてまとめました。

しっとりケーキで幸せになろう!

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