バターとマーガリン、ショートニングの特性(製菓理論)

お菓子づくりのコツ・豆知識

マーガリンってバターとどこが違うのかな?

お菓子づくりに使うならやっぱり高級なバターのほうがいいのかな?

用途によってはマーガリンやショートニングが良いこともあるよ!

それぞれの製造方法とあわせて見ていこう!

バター

バターの製造法と種類

バターの原料は牛乳です。

遠心分離により牛乳から乳脂肪のクリームを分離した後、それを激しく振動させ、乳脂肪のかたまりを水分と分離することでつくられます。

日本では、バターは乳脂肪分80%以上、水分17%以下であることが規定されており、有塩のものと無塩のものがあります。

また、発酵バターは乳酸菌による十数時間の発酵を行ったバターのことをいいます。
ジアセチルなどの香気成分が増え、バターに独特な風味が加わります。

特徴用途
無塩バター食塩添加なし。
保存性が比較的悪い。
バターを大量に使用するお菓子等に利用。
有塩バター重量に対して1~2%の食塩を添加。
保存性が比較的高い。
料理の風味付けやパンに塗るなど、調味料として利用。
非発酵バタークセがなくあっさりとした風味。他の素材にあまり影響を与えないため、多様な用途で利用できる。
発酵バター乳酸菌により発酵。
様々な呈味、芳香成分が生成される。
お菓子や料理にコクを出したい場合に用いられる。
食塩の有無と発酵の有無によるバターの分類

発酵バター、ちょっと高いけどお菓子づくりに使うと美味しくてやめられなくなっちゃうんだよな~

マーガリン

マーガリンの製造法

マーガリンは、バターの代替品として19世紀にフランスで開発されたものです。

現在は植物性油脂(大豆油、菜種油、コーン油、パーム油など)、動物性油脂(魚油など)を主原料とし、乳製品、乳化剤、着色料、香料、ビタミン剤、保存料、食塩、酸化防止剤などを加えて製造されています。

また、油脂を構成している「脂肪酸」は構造により融点に大きな差があります。
同じ炭素数18の脂肪酸でも、不飽和脂肪酸であるオレイン酸の融点は13℃、リノール酸は-5℃であるのに対し、飽和脂肪酸であるステアリン酸の融点は69.3℃となっています。

融点って固体が溶け始めちゃう温度のことだよね?

そう、だから不飽和脂肪酸のオレイン酸とかリノール酸が含まれている状態だと、常温でも溶けやすくなっちゃうんだ。

でも売ってるマーガリンはそんなにすぐ溶けないよね?

マーガリンの製造中に水素(H2)が加えられていて、不飽和脂肪酸が融点の高い飽和脂肪酸に変化しているからなんだ。

マーガリンの原料の油脂には融点の低い(溶けやすい)不飽和脂肪酸も含まれていますが、融点を上げることを目的に水素添加が行われます。
水素が添加され、融点が上がった油脂を硬化油と呼びます。

不飽和脂肪酸への水素添加

水素の添加で二重結合がなくなるんだね!

そう!でもたまに違う反応を起こしてトランス脂肪酸ができてしまうこともあるみたいなんだ。

トランス脂肪酸って健康に良くないんじゃなかったっけ…?

そういわれているけれど、近年は企業努力によってマーガリン中のトランス脂肪酸の量はかなり減っているみたいだよ。

なんにしても、油脂の摂りすぎはそもそもよくないかも…笑

お菓子の食べすぎには気をつけよ~

マーガリンの特性

マーガリンは、原料や添加物などの組み合わせにより、その性質を調整することができます。

例えば、パイ用に製造されたマーガリンは、可塑性かそせいを示す温度範囲が広いという特徴があります。

可塑性というのは素材が伸びやすく変形しやすい状態のことをいい、バターでは、13~18℃程度がこの性質を示す温度となります。
(それ以上だと溶け始めてしまうという温度です。)

パイ用マーガリンは、30℃程度まで可塑性を示し、溶けにくく、生地をつくるのに扱いやすい性質となります。
ただし、口どけが悪いため、食卓用などには向いていません。

マーガリンも、パイ用、製菓用、食卓用など使い分けが大事なんだね!

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ショートニング

ショートニングの製造法

ショートニングとは、精製した植物性油脂(大豆油、菜種油、コーン油、パーム油など)、動物性油脂(魚油など)を主原料とし、乳化剤、酸化防止剤、窒素、炭素ガスなどを混合して製造したものです。

マーガリンが15%程度の水分を含むのに対し、水分をほとんど含んでいません。
また、香味成分も添加されないため、ほとんど風味はなく、酸化されにくいという性質を持ちます。

ショートニングの特性

ショートニングという名称は、粉製品に対してショートニング性を与えることから付けられました。

ショートニング性とは、小麦粉生地においてグルテンの生成を抑え、サクサクと軽い状態に仕上げる性質のことです。

また、目的に応じて可塑性を示す温度範囲や乳化剤の種類・量を変えられるため、ケーキ用、パン用、デニッシュ用、パイ用、バタークリーム用など、様々な製品が製造されています。

利便性の高い液状ショートニング粉末ショートニングもつくられています。

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今回は油脂の種類と特性についてまとめました。

美味しいお菓子で幸せになろう!

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