卵はなぜ泡立つの?(タンパク質の役割とメレンゲづくりのポイント)

お菓子づくりのコツ・豆知識

卵の調理特性の一つとして、泡立ち性というものがあります。

お菓子づくりでは、メレンゲスポンジケーキをつくるときに重要な特性です。

卵の性質を科学的に理解することで、美味しいお菓子づくりを目指しましょう!

ふわふわのケーキが食べたい!!

卵白の泡立ち性

起泡性

そもそも泡ってどうやってできるんだろう??

例えば、水を泡立てても、すぐに空気は抜けてしまい、泡は残りません。

水は表面張力(液体が表面積をできるだけ小さくしようとする力)が大きいため、つまり、水どうしで一つにまとまろうとする力が強いため、気泡は消えていくのです。

卵には、この表面張力を下げる働きを持つタンパク質が含まれています。
卵白タンパク質のうち、オボトランスフェリンとグロブリンが大きな起泡力を持つといわれています。

表面張力が下がることで、かき混ぜたときに液面が空気と接しやすくなり、泡ができてきます。
これが卵白の起泡性です。

気泡の安定性(空気変性)

泡が出来上がるだけでは、メレンゲのようにしっかりとした形にはなりません。

卵白は、起泡性とともに、気泡を安定化する性質も備えています。

卵白に含まれるオボアルブミンというタンパク質は、空気に触れると膜状に固くなるという性質を持っています。
この性質を空気変性といいます。

ただし、この変性が過剰になるとタンパク質の構造が壊れて水が分離してくるため、泡立てすぎには注意が必要です。

泡立ちに影響する要素

メレンゲをつくるときって砂糖を入れるけど、何か影響はあるのかな?

砂糖は保水性を持つため、気泡の周りにある水に溶け込んで粘度を高めることで、泡の安定性を高める作用があります。

ただし、初めから全量の砂糖を加えてしまうと、粘度が上がることで空気を取り込みにくくなるため、泡立ちにくくなってしまいます。
そのため、メレンゲをつくるときは砂糖を2~3回に分けて加えます。

また、レモン汁などの酸を少量加えることもメレンゲの安定性を向上します。

これは、卵白タンパク質の空気変性が、pH中性付近で進みやすいという性質があるためです。

ただし、こちらも多量に入れてしまうと気泡が荒くなることがあるので注意が必要です。

砂糖やレモン汁を加えるとしっかりした泡になるんだね!

ただ、油分や水が入ってしまうと安定性が悪くなるから注意が必要だよー。

卵白に卵黄が混ざってしまったり、油分や水分が残ったボウルで混ぜてしまうと、メレンゲの安定性が悪くなります。

特にバターやサラダ油などの油分は気泡の構造を壊してしまう作用があるため、ボウルの汚れには注意する必要があります。

一方で卵黄や牛乳、生クリームにも油分が含まれていますが、これらは卵白の泡立ちをそれほど強く妨げません。
それは、これらの油分が細かい油滴状になっていて、乳化作用をもつ膜に保護されており、卵白の気泡への影響が少ないためです。

しかし、しっかりと安定したメレンゲなどをつくるためには、卵白に卵黄が混ざらないように注意しなければなりません。

また、卵白に水が加わると、粘度が低くなるため泡立ちやすくなりますが、出来上がったメレンゲの安定性は弱くなります。

メレンゲの安定性を助けるもの

▶ 砂糖
▶ 酸(レモン汁など)

メレンゲの安定性を妨げるもの

▶ 油分
▶ 水分

「乳化作用」についてはこちらの記事を参考にしてみてね!

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起泡性は卵の鮮度や温度でどう変わる?

卵の鮮度や温度により、起泡性や安定性は変化します。

鮮度

卵白には粘性の高い濃厚卵白と水っぽい水様卵白があり、新鮮な卵ではこれらがおおよそ半分程度ずつ含まれています。

卵が古くなるにつれ、濃厚卵白は水様卵白へと変化していきます。
これは、卵の中の二酸化炭素が徐々に抜けていくことで、卵の中がアルカリ性に傾き、濃厚卵白の構造が分解されていくためです。

そして、濃厚卵白よりも水様卵白の方が表面張力が低いため、起泡性は高く、泡立ちやすいです。

そのため、新鮮な卵よりも少し古くなった卵のほうが、泡立ちは良いということになります。

ただし、このような泡は壊れやすく、安定性としては弱いです。

新鮮な卵であるほうが泡立ちにくいですが、その分しっかりとしたメレンゲをつくるのに向いています。

温度

温度は、冷たいよりも温かいほうが泡はできやすいです。
これは、温かいほうが表面張力が下がるためです。

ただし卵白は60℃程度から熱凝固してしまうので、温めすぎは厳禁です。

また、気泡の安定性は冷たい温度で泡立てたほうが高いというデータが出ています。

そのため、しっかりとしたメレンゲをつくるには、低い温度で泡立てたほうが良さそうです。


今回は、卵の泡立ち性の原理卵の状態による泡立ちの違いについてまとめました。

ふわふわお菓子で幸せになろう!

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